2007年06月01日

温暖化ガス削減、米、来年中に目標―大統領提案、中印含む15ヵ国で。

2007/06/01, 日本経済新聞 朝刊

 【ワシントン=丸谷浩史】ブッシュ米大統領は三十一日、温暖化ガス削減に向けて中国、インドを含む主要排出国十五カ国で国際的な枠組みをつくり、二〇〇八年末までに長期的な削減目標を策定する提案を発表した。主要国首脳会議(ハイリゲンダム・サミット)を前に、地球温暖化対策で数値目標に消極的だった米国が姿勢を転じたと印象づけ、環境問題で主導権を握る狙いだ。(関連記事6面に)

 大統領は同日の演説で、京都議定書の削減計画が一二年に終了することを踏まえ、来年末までに「地球規模の長期的な目標」をつくる必要があると強調。中印を含めた主要排出国による枠組みを発足させ、今秋にも初会合を開くよう呼びかけた。今後十八カ月間で閣僚レベルや事務レベルの会議を重ね、具体的な目標づくりを進める必要があると提唱した。
 同時に、環境技術についての関税障壁を取り除く必要性も訴えた。安倍晋三首相も世界全体の排出量を「現状から二〇五〇年までに半減する」との総合戦略を発表している。日本などサミット参加国に中印などを加えた枠組み作りで温暖化対策の議論が加速しそうだ。

温暖化対策新提案、米、ようやく本腰、実効性に疑問も。
2007/06/01, 日本経済新聞 朝刊

 【ワシントン=藤井一明】ブッシュ米大統領が三十一日表明した地球温暖化を防ぐための新提案は環境対策で出遅れた米国が巻き返すきっかけになりうる。二酸化炭素(CO2)などの温暖化ガスの削減目標に一貫して背を向けてきた立場を軌道修正し、国際的な枠組みづくりに乗り出す構えを初めて示したためだ。ただ、中国、インドの取り込みや目標の実効性には疑問も残る。(1面参照)

 来年末までに集中的に国際会議を開き、主要国と削減策を練る期間は、実質的に一年半となった大統領の任期とぴったり重なる。米政府の提案が実現するには、今回のハイリゲンダム・サミットと来年の北海道洞爺湖サミットが合意形成に向けた重要な舞台になる。
 米政府は温暖化ガスの削減目標の設定で先行する欧州連合(EU)や「世界全体の排出量を現状から五〇年までに半減する」方針を掲げた安倍晋三首相の動きに触発され、ようやく対策に本腰を入れ始めた形だ。カリフォルニア州が連邦政府の対策の甘さを非難するなど国内でも厳しい突き上げを受けていた。
 大統領は「技術を通じて対応する。この点で米国は先頭にある」と主張。原子力や太陽光の活用にも触れ、民間の研究開発を後押しすれば経済成長と温暖化ガスの削減は両立できると指摘した。技術への楽観論は削減目標の義務化に慎重な政権の基本理念の裏返しだ。
 「京都議定書よりも強力な国際条約が必要」と米国のゴア前副大統領は強調する。
 一方で目標とその強制力を巡る欧州や中印との調整は出口がなかなか見えない難題だ。対策の取りまとめはブッシュ政権の外交手腕を試す機会になる。
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