2007年06月01日

原油など高騰、産業資材値上げ再び加速――日経商品指数42種、22年ぶり高水準。

2007/06/01, 日本経済新聞 朝刊

 主要な産業用資材の国内卸売価格で構成する日経商品指数四二種が三十一日、二十二年ぶりの高水準に達した。原油など資源価格の高騰が石油化学製品などの値上げを再び加速させている。原燃料高は消費者にも波及し、航空運賃やクリーニング代を引き上げる動きもある。一進一退の消費者物価を押し上げる要素が少しずつ増えてきた。
(日経商品指数四二種は3面「きょうのことば」参照)=関連記事11面に

 日経商品指数四二種(一九七〇年平均=一〇〇)は一六九・六四八となり前月末を一・四六三ポイント上回った。四カ月連続の上昇で前年同月比一二・七%高い。年始に一バレル五〇ドル近くまで下げた原油相場が六〇ドル台前半に再び上昇してきたほか、アジアなどの需要好調による需給の引き締まりや円安も価格を押し上げた。化学や非鉄、鉄鋼の値上がりが続いている。

100円ショップも
 原料高を転嫁するための値上げは加工品にも広がる。日本製紙は同日、七月から伝票やレシートに使う情報用紙を一〇%引き上げると代理店に通知した。福助工業(愛媛県四国中央市)も六月二十一日出荷分からレジ袋やごみ袋を一〇%以上値上げすると表明。原料のナフサ(粗製ガソリン)が最高値圏にあり、ポリエチレンなどのメーカーから値上げを求められているためだ。
 アイリスオーヤマはニッケル高騰を受け、ホームセンターに卸すステンレス棚を値上げした。
 値上げは身近なところにも波及している。全国に千五百カ所の営業窓口をもつクリーニングチェーン最大手の白洋舎は溶剤やハンガーの価格上昇を受け一日からクリーニング代を五―一〇%上げる。百円ショップではプラスチック製品の薄型化や小型化による実質値上げもみられる。

物価指数は下落
 首都圏の幹線道路など競争が激しい地域ではレギュラーガソリンが一リットル百二十九―百三十九円。四月初めに比べ十円強高い。航空二社は七月から国際線運賃を上げる。
 こうした動きが前年比でみる消費者物価指数(CPI)に直ちに影響するわけではない。四月の全国CPI(生鮮食品を除く)は前年同月比〇・一%の下落。三カ月連続のマイナスだ。原油価格は昨年七月に一バレル七〇ドル台の最高値をつけており、これに比べて今の水準はなお低いからだ。消費者の低価格志向も根強く、家電など値上げが最終製品まで転嫁できない例も多い。携帯電話料金の下げ競争もCPIを引き下げる。
 しかし、原燃料高は企業の収益を圧迫している。第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは「昨年までの素材高を企業はコスト削減でしのいできた。二巡目の今年は転嫁しなければ採算面で厳しく、様々な値上げにつながっている。一時的に消費者心理にマイナスの影響が出るかもしれない。CPIは十一月ごろにプラスに転じ、上昇幅が急拡大する可能性もある」とみている。

日経商品指数42種(きょうのことば)
▽…日本経済新聞社が開発した商品価格指数で、毎月1回、月末に発表している。需給によって敏感に価格が変動する鋼材や非鉄金属、石油製品など42品目を採用。1970年の平均価格を100とし、品目ごとのウエート付けをしないで算出する。景気の先行指標として内閣府の景気動向指数に組み込まれている。
▽…5月は高値を更新したステンレス鋼板などの鋼材や、大豆油値上げが浸透した食品などが上昇した。指数は80年に200台をつけたが、2000年ころは100前後だった。02年から徐々に上昇し始めている。

石油高止まり予想、主要企業、ヘッジ・燃料転換広がる。2007/06/01, 日本経済新聞 朝刊

 今後の原油や石油製品の価格について、石油や運輸など関連企業の多くが高止まりすると予想している。価格変動の業績への影響が拡大する中、企業の間では先物市場でヘッジ(保険つなぎ)したり、燃料を石油以外にシフトしたりする自衛策が広がっている。(1面参照)
 原油の輸入価格や石油製品の購入価格について主要企業の二〇〇六年度実績価格と〇七年度の想定価格をみると、アジア指標の中東産ドバイ原油の〇六年度平均は過去最高の一バレル六一ドル弱。元売り大手の〇七年度想定はそれを下回るが、過去の実績と比べると〇六年度に次ぐ水準になる。ナフサ(粗製ガソリン)を使う化学や、重油を燃料にする海運は〇七年度に原燃料費負担が増すと見ている。
 仮にジェット燃料価格が〇七年度の想定価格を一バレル一ドル上回ると、日本航空の年間燃料費は十六億円、全日本空輸は七億円増える。両社は〇七年度の燃料の六五―七〇%をヘッジした。しない場合に比べ負担増は三分の一程度ですむ。海運や製造業でもヘッジの動きが拡大している。
 特定の石油製品への依存度を下げる動きもある。王子製紙は〇九年度の重油使用量を〇三年度比で五割減らす。廃プラスチックや廃タイヤを使う新ボイラー燃料を全国八工場で利用。都市ガスへの燃料転換も進める。
posted by 原始人 at 06:20| Comment(0) | TrackBack(0) | Report | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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